2009年1月アーカイブ

最近このブログを書いていることを知人に伝えると、「それビジネスにするの?」とか「ビジネスになるの?」みたいな反応が返ってくることが多いので、考えていることをまとめました。

ソーシャルメディアマーケティングを提供するサービスがビジネスになるかというと、「しばらくはあまり大きなビジネスにはならなくて、かつやる側としてはあまりいいビジネスではない」というふうに考えています。


理由は以下のようなものです。


1.対象となるサービス、商品が制限される

SEOやPPCなどよりもさらに、ソーシャルメディアマーケティングは導入する意味のある業種、商品、サービスが限定されます。ごく一部のソーシャルメディアに向いている商品を除くと、他のプロモーション方法に予算割いたほうがいい場合が多そうです。



2.一般化しづらい

一部のテクニックやサイトの作り方などは他の事例と共有することができますが、基本的にはコンテンツありきのマーケティング手法なので、クライアントごとにやり方を1から考えないといけません。おそらくコンサルティングみたいな仕事になりがちです。人月単価でお金もらうようなビジネスになってしまうとなかなか差別化するのは難しそうです。
どれだけブランディングして単価上げるかという話になりますが、いずれにせよ利益率はあまり高くなさそうです。

人月で300?500万くらい払う会社が出てくるようになれば話は別ですが、しばらくはそういう状態になるとは思えません。キャンペーン全体で周辺の広告出稿や制作もまとめて依頼してもらって単価を上げるのがいいとこだと思います。



3.再現性を持たせるのが難しい

2と重複してますが、同じ会社ですら一度成功したときと似たやり方でまたうまくいくかというとそうもいかないのがソーシャルメディアマーケティングの特徴かと思います。タイミングやソーシャルメディア以外でのフックなどの要因が複雑に影響してくるからです。
ただ、数をこなして打率を上げていくのはできそうです。


4.ソーシャルメディア使ってる人が少ない

一番大きな問題で、しかもしばらくは解決されなそうです。1の原因でもあります。



上記のような問題点をうまく解決してビジネスにできれば結構大きな市場だと思います。
ソーシャルメディアを無視していていいかというとそういうわけにもいかず、どうやったら有効活用できるのかを試行錯誤していかなくてはいけないので、その過程でいろいろなサービスが出てくるんでしょうね。


ソーシャルメディアマーケティングをサービスとして提供している会社に、技術を持っている会社がツールを売るのが一番儲かるというゴールドラッシュ時のリーバイスみたいな話になりそうな気がします。
もちろん自前でツール作って付加価値つければ高く売れるようになります。


あと今のSEOみたいにウェブ制作をしている人は知っているとプラスの付加価値を提供できるものにはなりそうです。



日曜にTwitterについてのブログを作っていたら、こっちのブログを書くタイミングを逃してだいぶ更新が滞りました。やっぱり特定の曜日に書くなどの習慣を作らないとダメですね。
メモ的にSMMに関連してそうな記事やサイトを紹介します。
私が期間中にはてブで "smm" というタグをつけていた記事とメモ書きです。


Twitterの返信機能を使った『@twitrans』のプロモーション手法がすごい - IDEA*IDEA ? 百式管理人のライフハックブログ ?

機能自体がプロモーション手段にもなっているという事例。SNSとかまさにそうですが、使われれば使われるほど人の目につきやすくなる仕組みはいいですね。


POLAR BEAR BLOG: 「マイミクを10人削除したら、ハンバーガーを1個プレゼント!」
Facebookがビッグチャンスを逃がした

バーガーキングがFacebookで友達10人減らすとハンバーガーがもらえるという変わったプロモーションを実施するも、プライバシーを理由に機能を制限。友達を削除したときに削除された側に通知する機能がなくなった。


人気エントリー入りした後にしたほうがいいこと - ぼくはまちちゃん!(Hatena)

ホッテントリ入ったときにカテゴリを変更するとさらにアクセスが伸ばせるかもという話。こういうテクニック的なものは議論されることが少ないですが、今後増えていきそうです


Twitter / LinaCafe

「リナカフェなう」とポストすると
@○○様がリナカフェに00:00頃に到着されたようです。
と返すボット。これからこういう使い方が増えていきそう


ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 > ソーシャルメディアの活用法:4タイプ : ITmedia オルタナティブ・ブログ

コミュニティ型、ファンによるクチコミ型、 顧客知活用型、コネクション提供型という分類でソーシャルメディアの使い方が解説されています。スライドも参考になりました。


5 Trends: Where Social Media Marketing is Heading, in 2009 and Beyond

ソーシャルメディアマーケティングの2009年の5つのトレンドについて。
2009年のソーシャルメディアマーケティング予想 - ソーシャルメディアマーケティング(SMM).jp
という記事になぜ2番の Content Aggregation, with Filtering と同じような予測を入れてないことに気がついた。ソーシャルサーチのブログもやってるにもかかわらず完全に抜け落ちてました。



来週あたりでそろそろ普通の記事も投稿しようと思います。
クローリングしてる暇があるなら...論文かいたら? | EDGE Datasets(研究用データセット)

livedoor ラボ「EDGE」 開発日誌 : livedoorから研究用データを提供します - livedoor Blog(ブログ)


第2回SBM研究会で研究者向けにソーシャルブックマークのデータを公開してほしいという話が出てましたが、ライブドアがlivedoor クリップのデータセットの提供を始めてくれました。


動きが早くてすばらしいです。他の会社もぜひ後を追ってほしいと思います。


ライブドアは先日レコメンデーションエンジンを公開してましたが、他にもいろいろ公開していて面白いです。

livedoor labs EDGE
別のブログでソーシャル検索に関する予測記事を書きました。

2009年のソーシャルサーチ予想 5つの新しく検索できるようになる情報 | ソーシャルサーチ.jp

2009年はプライバシーの問題が争点になりそうです。利便性とセキュリティを量りにかけて、どうバランスを取るのかが議論されていくんでしょうね。
せっかくはてブを使ってブクマしているので、不定期でSMMに関連する記事を紹介していこうと思います。

Buzzurlみたいにブクマしたものをブログにまとめて貼り付ける機能がそのうちできることを期待します。

なお、毎週ではなくてたまに思いついたときにまとめます。



27 Blogging Secrets to Power Your Community | chrisbrogan.com

冒頭に写真を貼っておく、ブログの書き出しは質問ではじめる、つっこみどころを残してエントリあげるなどの、ブログに関するTipsが27個まとめられています。
以下のサイトで一部が翻訳されています。
アルファブロガーになるための27の秘密?その1/3 - 海外のSEO対策・SEOツールをわかりやすく解説するブログ



The Top 10 Political Technology Stories of 2008 | NextGenGOP.com | The Future of the Republican Party

政治にソーシャルメディアなどのテクノロジーがどう活用されているのかを紹介している記事



POLAR BEAR BLOG: 国家もソーシャルメディアを使う時代

イスラエルが自国の正当性をソーシャルメディアでアピールしているという話。アメリカでは政治で盛んに使われているので、まさにソーシャルメディアが世論を動かす時代になってきているのかもしれません。



Obama's Crowdsourced Resolutions For 2009

2008年最も影響の大きかったソーシャルメディアキャンペーンを展開したオバマは、選挙が終わった後もソーシャルメディアを有効活用しています。Change.gov: The Obama-Biden Transition Teamというサイトで、質問を集めて、それぞれにDiggのように投票できる仕組みにしています。
Change.gov: The Obama-Biden Transition Team | Open for Questions
このページでは、現時点で、67,226の質問が投稿されて、4,165,079回投票されています。

このブログでもいくつかオバマについて書いています。
オバマが2週間で40万人近くFacebookの新規フレンドを獲得 - ソーシャルメディアマーケティング(SMM).jp
バラック・オバマのサイトからソーシャルメディアへの姿勢を学ぶ - ソーシャルメディアマーケティング(SMM).jp




What Are the Important Social Marketing Values? ? aimClear Search Marketing Blog

ソーシャルメディアマーケティングでは何が大切なのかがTwitterで議論されていたみたいです。


重要なのはフォロワーの数ではない。何回つぶやきが転送されたかだ。

Twitter検索で重み付けをするときにはフォロワーの数よりももつぶやきが転送された数を重視したほうがいいのではないかという話。これはいろんなソーシャルメディアに言える。SNSで友人多い人が影響力が強いかというと必ずしもそうではなくて、どれだけ他の人を動かせるかで影響力が決まるかもしれない。
あけましておめでとうございます。すっかり更新が滞ってしまいましたが、たまに更新していこうと思います。

今年ソーシャルメディアマーケティングの分野で起こりそうなことを推測してみました。


1.Twitterの商用利用がさかんに

DELLがTwitterに安売りの情報流して1億くらい売ってるとかいう話や、カスタマーサポートにTwitter使って成功しているECサイトがあるということがいくつかのブログで取り上げられてましたが、今年はさらに盛んになってくると思います。

以下のような目的で使われるようになります。

顧客とのコミュニケーションのために使う
新着情報をメールやRSSよりもさらに早く伝える
該当の情報を引き出しやすくするためのツールとして使う



2.企業サイトがソーシャルメディアセンター設置するようになる

PR戦略の一環としてメディアとして運営しているサイトだけでなくコーポレートサイトもソーシャルメディアとの連動させる試みが増えてくると思います。



3.動画、音声、パワポのスライドなどを活用したマーケティングが盛んに

これはだいぶ前から言われてますが、いまだにあまり広がっている印象はありません。バーティカル検索がより進んでいき、重要度が高まっていくにつれて、ノウハウについてより議論されるようになったり、何らかのサービスとして提供されるようになっていくでしょう。



4.大手企業が製品・サービスの開発や改善のためのソーシャルメディアを作るように

DiggやSNSのような仕組みを使って大手の会社が製品開発にソーシャルメディアのユーザーの意見を取り込むための試みを始めると考えています。最初はクローズドかもしれませんが、徐々にオープンな環境で製品の情報が議論されるようになっていくかと思います。



5.ブログとSNSの融合

SNSの規模が拡大してきて、Facebookのようなプレーヤーが大手のブログベンダーとなります。ブログプラットフォームを買収、もしくは連動するようになってブログとSNSの融合が進むと考えられます。



6.ソーシャルメディアマーケティングのサービスとしての広がり

現状のペイパーポストとは違う切り口のサービスが広まっていく。間違ったコンセプトでサービスを出してしまうところも出てきて、一部は炎上して終了する。



7.ソーシャルメディアが検索のためのデータとして活用されるようになる

ソーシャルメディア内のサイトや人同士のつながりが検索に活用されるようになります。パーソナライズド検索やセマンティック検索のための情報源として、ソーシャルブックマークやSNSの情報を活用することが一般的になってきます。また、サイト内のテキストや画像、動画などの情報ではなく、ユーザーの行動履歴自体が検索対象となるか、もしくはデータとして活用されるようになっていきます。これはGoogleが拾えないデータなので他の企業によって集められて検索できるようになっていきます。




いろいろ想像して予測するのが楽しかったです。年末にどれくらい予測したとおりになったか振り返ってみようと思います。

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